こんにちは
初マタ・新米ママです
『妊娠中に読んで役立った本・読まなくてよかった本まとめ』で紹介した本を一通り読み切ったころ、そろそろ教育本や不安感をあおるノウハウ本などではなく、妊娠中にリラックスして読めるような、癒されるような本を読んだ方が、母体の精神状態とお腹の赤ちゃんのためにもよいのではないかな・・・?と思い、妊娠中のエピソードが書かれていてほっこりできるような本をAmazonでまたもまとめて購入(並行読み、積読が大好き)。今回は、その中からオススメの本をご紹介します。出産エピソードもあるので、あまり知りたくない方や精神的負担が多い方にはオススメできませんが・・・どれもさらっと読めるので、ぜひ横になりながらでも読んでみてください。
📚もくじ📚
『そういうふうにできている』さくら ももこ
「ちびまる子ちゃん」の作者・さくらももこさんの、妊娠・出産を描いたエッセイです。擬人化やエピソードのデフォルメなど、くすっと笑える小気味いいリズムで描かれているので、とても読みやすいです。また、さくらももこさんが長年の懸念だったという「魂と脳と心の関係のことが私なりに解けた」という帝王切開の時のエピソードなど、哲学的な思考も記されていて、母になる身として勉強になりました。なかでも印象的だったのが、以下の二つ。
子供は私のお腹の中にいた。そして私のお腹から出てきた。我が子である事は間違いない。だが、"私のもの"ではない。この子は私ではなく、私とは別の一個体なのだ。(中略)彼は私の分身ではなく、彼以外の何者でもない。(中略)私は"親だから"という理由でこの小さな生命に対して特権的な圧力をかけたり不用意な言葉で傷つけたりするような事は決してしたくない。
子供は子供で私ではなく、別の個性と個体を持ち、違う人生を歩んでゆくのだという距離は相変わらず気持ちの中にあるし、この気持ちは大切にしたいと思っている。
※さくら ももこ著書『そういうふうにできている』本文より引用
『プーさんの鼻』俵 万智
俵万智さんの歌集。妊娠・出産・子育て、そして恋愛についてのエピソードが歌われています。自分と重なる言葉、なるほどと思える視点など、俵万智さんの世界観が広がります。なかでも印象的だったのが、以下の二つ。
おむつ替えおっぱいをやり寝かせ抱く 母が私にしてくれたこと
※俵 万智著書『プーさんの鼻』本詩より引用
子どもの歌、恋の歌、家族の歌…。短歌は、私のなかから生まれるものではない、私と愛しい人とのあいだに生まれるのだ。
※俵 万智著書『プーさんの鼻』あとがきより引用
『予定日はジミー・ペイジ』角田 光代
妊娠発覚から出産までの主人公の葛藤を描いた小説。元々は、朝日新聞に掲載された短編小説でこの本の最後の部分が紹介されており、そこから話題となって、この一冊を書くにいたったそうです。さらに実は、著者の角田光代さんはこの作品執筆の自点では妊娠・出産を経験したことがなかったそうで、それでいて主人公の心境がリアルに描写されていて、改めて小説家さんてすごいなぁと感嘆いたしました。なかでも印象的だったのが、以下の二つ。
あ、流れ星、と思うのと、
子どもができたかも、と思うのと、
ほぼ同時だった。
時間ってのはいつもいつも流れているんだけど、子ども産んだとたん、それが目に見えるようになる」「そうか、ここには時間が詰まってるのか」
※角田 光代著書『予定日はジミー・ペイジ』本文より引用
『きみは赤ちゃん』川上 未映子
著者の川上未映子さんの、妊娠・出産・育児をつづったエッセイ。実際の妊婦におこる様々な心の葛藤やぐちゃぐちゃとしたうまく説明のつかない心の動きがリアルに描かれていて、正直すぎてちょっと読み進めづらいようなところもまたリアリティがあってある種共感できました。ただ、出産エピソードはなかなかハードなので、心の安定が保たれる時に読み進めてください・・・私は途中で休憩を挟みつつ読み切りました!なかでも印象的だったのが、以下の二つ。
社会で働きつづけなければならないのはいまや女性もおなじであって。生んで、授乳して、すぐに復帰せねば、もう戻れない。出産のダメージはいったいどれほどのものなのだろう。好きでやっていることとはいえ。望んでやっていることとはいえ。そして男性たち。からだにはなんの変化も痛みもないままに、彼らは、ある日とつぜん赤ちゃんに出会うのだなあ。
一生懸命、歩こうとしている。背をむけて、足を動かして、むこうに一歩を踏みだそうとしている。もう赤ちゃんじゃなくなった。もう赤ちゃんじゃなくなった、オニ。どうかゆっくり、大きくなって。きみに会えて、どてもうれしい。生まれてきてくれて、ありがとう。
※川上 未映子著書『きみは赤ちゃん』本文より引用
それでは今日も一日、家族が健康で笑顔で過ごせますように。
初マタ・新米ママ